2026年3月

全部やることが
正解とは限らない

住まいを見直すとき、
「せっかくなら全部きれいにしたい」
そう思うのは、とても自然なことだと思います。

でも、私たちが実際にお客様のお話を伺う時は、「どこを直しますか?」と聞きません。
じゃあ、何を聞くの? 今回はそんなお話です。

全部やることが正解とは限らない

毎日立つキッチン。
少し気になる水まわり。
将来を見据えた間取り。

考え始めると、あれもこれも整えたくなります。

ですが私たちは、すぐに「どこを直しますか」とは聞きません。

まず、お聞きするのは、
「この家で、どんな暮らしの時間を重ねていきたいですか?」
ということです。

家族が自然と集まる家なのか。
それぞれが心地よく過ごせる家なのか。
人を招きたくなる家なのか。

その家の「暮らしのコンセプト」が見えてくると、不思議なほど自然に優先順位が整っていきます。

空間づくりは、感覚だけで決めるものではありません。

若い頃、店舗づくりに携わっていた際、2つの脳をフル稼働させていました。
一つはもちろん、設計やリフォームの専門家としての脳です。
そして、もう一つは、まるでそのお店の店長になったような感覚で店全体のことを考える脳です。
客層や年齢層、時間帯ごとの人の流れ、季節による使われ方、売上や単価、回転率、商品構成やスタッフの人数…。
本当に細かなことまで考えながら、導線や席の配置を決める経験をしました。

お客様がどう過ごすのか。
人がどう動くのか。
その空間はどう使われていくのか。

そうした背景を整理していくと、自然と空間の形が見えてきます。
そして、見た目は、最後に整います。

人が住み、生活する住宅も同じです。

家族構成。
生活リズム。
これからの変化。
時間とともに移り変わる価値観。

それらを見据えながら整えていくと、「今はここまででいい」という選択が見えてくることもあります。
全部を変えることが、必ずしも正解とは限りません。

あえて余白を残す。

それは未完成なのではなく、これからの暮らしを受けとめるためのゆとりです。

子どもの成長。
進学や独立。
新しい家族。
暮らし方の変化。

住まいを一度で完成させるのではなく、家族の歩みに合わせて少しずつ育てていく。
そんな住まいのあり方も、とても素敵だと思っています。

住宅は完成がゴールではなく、そこで続いていく日々こそが本番です。

私たちは、工事そのものよりも、その先の暮らしが穏やかに続いていくことを大切にしたい。
整えすぎないという選択も含めて、そのご家族らしい住まいの形を、これからも大切にしていきたい。
住まいは、つくるものではなく、家族とともに育っていくものだと考えているからです。

少し話が広がってしまいましたが、まとめるとこんな感じです。

① 空間を考えるときに、大切にしているのは「どんな人が、ご家族が、どんな風に過ごしていくのか」ということ。

②その考えを突き詰めていくと、「余白を残す」ということも、一つの選択肢だということ。

③家を建てた時、リフォームをした時、が完成ではなく、そこから続いていく生活や家族の歩みに重きを置くということ。

これこそが私たちが大切にしている「M's Plusの考え」です。
これからも続いていくお客様とその家族と寄り添い、変化や成長を共にできる空間を作っていくこと。そして作り続けていくこと。
ぜひ、お住まいのことを考えるとき、こんな考え方もあるんだな、と思っていただけると幸いです。

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2026年5月[配信予定]

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