2026年2月
図面の前に、暮らしを描く
住まいのリフォームは、図面やデザインを考える前に、「これからどのように暮らしていくか」を整理することが大切だと、私たちは考えています。
三島のリフォームの設計思想ブランドである「M’s Plus」でも、図面や金額の前に、まず暮らし方から一緒に考えることを基本にしています。
リフォームのご相談は、「ここを直したい」「これは残したい」といった具体的なお話から始まることがほとんどです。
それは、とても自然なことだと思います。
しかし、工事が終わって少し時間が経った後にお話を伺うと、「よかった」と感じている理由が、最初に話していた内容と少し違うことがあります。
「前より動きやすくなった」
「家にいる時間が増えた」
「使わない場所がなくなった」
こうした言葉は、最初の打ち合わせではあまり出てきません。
だからこそ、図面を描く前に、暮らしについてもう一度ゆっくりお話を伺っています。家族構成のこと、生活リズムのこと、今の暮らし方と少し先の暮らし方。
そして、
「何を優先したいのか」
「どこは変えたくないのか」
「どこは将来のために余白を残しておきたいのか」
そうした内容を整理しながら、必要に応じて設計やコーディネートの視点を入れ、住まい全体を一度整えていきます。
具体的な間取りや完成イメージを詰めていくのは、その後にしています。
マンションでも、戸建てでも、特に全面改装のような大きな工事になるほど、デザインだけでは住まいは整いません。
動線や収納の使い方、断熱や設備の性能、現場での納まりや、将来のメンテナンスのしやすさ。
図面や写真だけでは見えにくい部分が、完成後の住み心地を左右すると感じています。
私たちは、この地域で77年、住まいに関わる仕事を続けてきました。親子、そしてお孫さんまで、三世代にわたってお付き合いいただいているお客様もいらっしゃいます。私自身も北摂で育ち、子どもの頃から当たり前のように身近にあった会社です。
今、リフォームという形で地域の皆様の暮らしに関わらせていただいていることを、ありがたく思っています。
この地域が好きで、この街の家が好きで、ここに住む人が好きです。
気が付けば自然と人が集まってくるような、そんな会社であり続けたいと考えています。
ご相談内容に応じて、必要なところにはしっかり時間をかけ、必要でないところは無理に広げないようにしています。すべてを変えることが正解とは限らないと思うからです。
その結果、完成してからの手直しや追加のご相談が少なくなり、「こうしておけばよかった」という声も減っていく傾向があります。
その変化は、現場を見ていても感じるところです。
このコラムでは、施工事例の紹介だけでなく、「なぜこの案を選んだのか」「なぜ別の案をやめたのか」といった、判断の途中にある考え方も少しずつお伝えしていきます。
すぐにご相談という形でなくても、住まいづくりを考える時の視点の一つとして、気軽に参考にしていただければと思います。
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